Unifi Controller on Google Cloud
自宅ではUniFiでネットワークを構築しています。狭い家ですし、VPNも貼ってないしセグメントを分けたりもしてないので、全く無意味で完全に趣味です。
UniFiネットワークでは、UniFi controllerというソフトウェアを使って設定します。これを常時稼働しておけば外から状態を監視したり、設定したりできるのです。
が、家の中だけだし、そもそもここ最近は常時家にいるのでUniFi controllerは自分のPC上で必要なときだけ立ち上げていました。それで十分なのですが、新しいPCに移行しようとした時に失敗してデバイスをファクトリーリセットするしかなくなったので、これを機会にクラウド上で動かすようにしようと思ったわけです。
ちなみに失敗したということをより正確に言うと、以下のような手順で実行したのですが、
- 古いcontrollerでバックアップを取る
- 新しいcontrollerでバックアップからリストア
- 古いcontrollerからデバイスの紐付けを新しいcontrollerに移行指示
- 新しいcontrollerでログインして移行確認
ところが、4で新しいcontrollerでログインしようとすると、本来は移行されているはずのアカウント情報がなく(mongodbの中を覗いて確認した)、無理やり追加してもDB上で不整合があるらしくPermission Deniedと言われるようになりました。こうなるともうデバイスをファクトリーリセットするしかできなくなります。
Google Cloud (以下GCP)
GCPでは米国内リージョンのE2-microであれば無料枠があるのでこれを使うことにします。米国内リージョンの中で一番日本に近そうなus-west1(オレゴン)を選択します。 新しいプロジェクトを作り、E2-micro(2 vCPU, 1GB メモリ)でインスタンスを立ち上げます。
unifi controllerのDocker imageもあるのでコンテナで立ち上げても良いのですが、ホスト側でもいろいろやりたいことがあるかもしれないので今のところは普通のインスタンスとして立ち上げます。
UniFiのインストール
ansible galaxyにあるのでさっくりとインストールできると思ったら、
- unifiはmongodbを使っている
- mongodbの4未満じゃないといけない
- debian 10は通常では4系統をインストールしてしまう
という依存性地獄がありました。ということで、mongodb 3.6.23を指定してインストールします。参考
- name: Install UniFi controller in Google Cloud instance
hosts: all
become: yes
tasks:
- name: install mongodb 3.6 apt key
apt_key:
keyserver: "hkp://keyserver.ubuntu.com:80"
id: "58712A2291FA4AD5"
- name: install mongodb apt repository
apt_repository:
repo: deb [arch=amd64] https://repo.mongodb.org/apt/debian stretch/mongodb-org/3.6 main
- name: install ubnt apt repository
apt_repository:
repo: deb [trusted=yes arch=amd64] https://apt.lecomte.at/repacks/debian/ buster ubiquiti
- name: install java and unifi controller
apt:
pkg:
- openjdk-8-jre-headless
- unifi
その後、ファイアウォールルールを設定し、以下のポートを開ければOKです。
- TCP: 8080(通知用), 8443(UI用)
- UDP: 3478 (STUN用)
なお、UniFi controllerに8443でアクセスしても、ui.comのアカウントでログインできないかもしれません。その場合、 update-ca-certificates -f
をしてunifi serviceを再起動してみてください。
Dynamic DNS
固定IPを契約しても良いのですが、せっかくなのでmydns.jpを使ってDynamic DNSで名前解決するようにします。詳細は省略しますが、以下のserviceとtimerを定義して一日一回起動するようにします。ansible的にはtemplatesモジュールを使うといいですね。
[Unit]
Description=mydns update
[Service]
Environment=MASTER_ID={{mydns__master_id}}
Environment=PASSWORD={{mydns__password}}
Type=oneshot
ExecStart=/usr/bin/sh -c 'curl -q -u ${MASTER_ID}:${PASSWORD} https://www.mydns.jp/login.html'
[Install]
WantedBy=multi-user.target
Device登録
factory reset
前述の通りmigrateに失敗している状態なので、device自体はどこかに登録されています。これを消すにはfactory resetをカマスしかありません。
USG(Security Gateway)にsshで入り、 mca-ctrl -t dump-cfg > mca-config.backup
とバックアップを取っておきます。show configration
の方が良いのかもしれません。
その後、
sudo syswrapper.sh restore-default
してファクトリーリセットします。
デバイス登録
しばらく経つと再起動が終わるので、 user=ubnt/password=ubnt
のデフォルトユーザーでsshで入ります。その後、以下のコマンドを叩きます。(URLは適宜変更してください)
set-inform http://unifi.foo.mydns.jp:8080/inform
これにより、GCP上に登録したUniFi controller上に「追加保留中」としてUSGが表示されるはずです。あとは「追加」をすれば完了です!
Switch等のconsoleがないものは後ろにあるresetボタンを5秒以上押してリセットします。
これで完了です。
オレオレ証明書で動いているので、Let’s encryptを入れたりすると良いかもしれませんが、まあそれはまた今度ということで。
UniFi controllerからはこんな感じでトラフィックが見れます。たのしい!